ライフスタイルに合わせた眼内レンズの選択


当院では、白内障手術を受ける方にライフスタイルに合わせた眼内レンズのご選択をおすすめしています。


それぞれの眼内レンズの特徴

白内障手術を受ける方は、以下の2つの眼内レンズをお選びいただけます。

・単焦点眼内レンズ
・多焦点眼内レンズ(多焦点レンズ:トリフォーカル眼内レンズ)

≪焦点までの距離≫

・近距離(手元=眼から35~40cm程度の距離)
・中距離(パソコン画面から部屋のテレビ程度までの距離)
・遠距離(眼から5m以上の距離、壁時計や外の景色など)


・単焦点眼内レンズ

どこか1つの距離に焦点(ピント)が合う眼内レンズです。単焦点眼内レンズによる白内障手術はレンズの費用を含め、保険が適用できます。

<単焦点眼内レンズのメリット>

・多焦点眼内レンズと比べて選択した焦点の物がはっきりとクリアに見える。
・多焦点眼内レンズと比べて術後のハロー(光に輪がかかったように見える現象)やグレア(光がぎらついたり、まぶしく見える現象)が起きにくい
・レンズ構造が多焦点眼内レンズよりシンプルなので、神経質な方は多焦点眼内レンズより見え方が馴染み易い

<単焦点眼内レンズのデメリット>

・選択していない焦点の物を見るときにはメガネが必要になることが多い。

[単焦点眼内レンズがおすすめの方]

・仕事や私生活で近・遠、どちらか1つにピントが合えば大丈夫な方
・できるだけ手術費用を抑えたい方
・術後、メガネをかける生活に不便を感じない方
・夜間に車を運転する方
・手元を見る細かい作業をする方
・緑内障や網膜疾患など、白内障以外の眼の病気をお持ちの方


・多焦点眼内レンズ(3焦点眼内レンズ)

近距離から遠距離、どの距離にも焦点(ピント)が合いやすい眼内レンズです。白内障手術は保険が適用できますが、レンズ費用は自費となります(選定医療となります)。

多焦点眼内レンズ現在数社から発売されていますが当院では過去の成績や実績より主にアルコン社製の3焦点眼内レンズを使用しています。また乱視が強い患者様には特殊な機械を用いて乱視矯正多焦点眼内レンズを積極的に使用しています。

<多焦点眼内レンズのメリット>

・複数の焦点にピントを合わせられるため、単焦点眼内レンズと比べてメガネを使う機会を減らせる(※1)。


(※1)メガネの使用頻度は眼の状態や患者様によって個人差があります。


<多焦点眼内レンズのデメリット>

・神経質な患者様は見え方に違和感を感じたり、視力の向上が遅いことがある。
・単焦点眼内レンズと比べると物の見え方、クリアさはやや劣る(コントラスト感度が単焦点眼内レンズよりも低いため)。
・複数の距離に焦点を合わせるため、患者様によってはWaxy Vision(※2)(※3)が起きることがある。
・単焦点眼内レンズと比べ、術後のハローやグレアが起きやすい(※3)。


(※2)Waxy Vision(ワクシービジョン)・・・術後、
物がかすんだりもやもやして見えるようになる症状。
Waxy Visionが起きた場合は再手術が必要になることがあります。


(※3)多焦点眼内レンズの術後に必ずWaxy Visionや
ハロー・グレアが起きる訳ではありません。


[多焦点眼内レンズがおすすめの方]

・仕事や私生活で出来るだけメガネを装用したくない方(※4)
・遠近両用のメガネやコンタクトをしていた方
・夜間の車の運転はあまりしない方
・白内障以外の眼の病気がない方
・裸眼でゴルフやプール、スキューバダイビングなどのスポーツを楽しみたい方


(※4)多焦点眼内レンズはメガネが不要になる訳ではありません。
見え方によっては術後、メガネを使用した方が見えやすい場合があります。



白内障手術で用いる眼内レンズの特徴や選び方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。合わせてご参照ください。


眼のお悩み・ご希望の眼内レンズをお伝えください

白内障手術を受ける際には、見え方などの眼のお悩みやご希望の眼内レンズをご遠慮なくすべてお伝えください。ライフスタイルに合わせ、眼科医が幅広い選択肢からそれぞれの患者様に適した眼内レンズをご提案させていただきます。


宮田眼科
院長
宮田 健太郎
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