白内障の原因


白内障の原因は、加齢によってひきおこされる加齢性白内障が最も多いです。ただし、白内障の原因ははっきりとわかっていないため、30代以下の若い方でも「物が見えにくい」「視界がかすむ」などの症状が現れ始めたときには注意が必要です。


白内障の原因


白内障はさまざまな原因によってひきおこされます。もっとも多い原因は年齢を重ねることによる加齢性白内障です。


◎加齢によるもの(加齢性白内障)

加齢性白内障とは、年齢を重ねることによって発症する白内障です。白内障の原因の約90%以上が加齢性白内障とされています。


白内障は60代以上の方に多く見られます。80歳以上ではほぼ100%の方が白内障を発症します。
白内障はゆっくりと症状が進行します。何年もかけて少しずつ物が見えにくくなってくるため症状に気づきにくく、眼科での受診が遅れてしまうケースが少なくありません。


[加齢以外の原因によって起きる白内障]

・先天性白内障

先天性白内障とは、生まれつき、眼の水晶体が白くにごっている白内障です。ご両親のいずれかまたは両方が先天性白内障の遺伝子をお持ちの場合、赤ちゃんが遺伝を受け継いで白内障を発症することがあります。遺伝子の突然変異により先天性白内障を発症することもあります。 先天性白内障は稀であり、白内障の発症原因としては多いものではありませんが視機能が正常に育たない弱視という病気の原因になることがありますので定期受診が必要です。


・紫外線

紫外線は水晶体の中のたんぱく質を傷つける作用があるため、眼に紫外線を浴びすぎると白内障の原因になると考えられています。


・全身疾患に伴う白内障(主にアトピー性皮膚炎や糖尿病など)

アトピー性皮膚炎を患っている患者さんに白内障を合併することがあります。特に眼部の症状が強い方は要注意で、20代の若い頃から発症する事もあります。また網膜剥離を合併する事もありますのでアトピー性皮膚炎の患者様で見辛さを感じたら眼科受診をお勧めします。 糖尿病によって血糖コントロールができなくなると眼の水晶体の中に糖(ソルビトール)が蓄積し、白内障の原因になると考えられています。
糖尿病による白内障は手術で治療できますが高血糖状態が続くいて網膜症が進行すると失明の危険性があるため、糖尿病の方で物が見えにくくなったり視界がかすむときにはすぐに眼科で診察を受けてください。


・外傷

眼に強い衝撃が加わることで外傷性の白内障を発症することがあります。外傷性白内障は急激に症状が進行するケースがあるため、注意が必要です。眼に強い衝撃を受けたときにはすぐに眼科で診察を受けてください。


外傷性白内障は眼に衝撃を受けてから数年経って白内障を発症するケースがあります。眼に衝撃を受けた際、「別に異常はない」「見えるから大丈夫」と自己判断で診察を受けないのは大変危険です。眼に衝撃を受けてから数年経って状態が急変し、失明に至るケースもあります。眼に衝撃を受けたときには症状の有無にかかわらず眼科を受診し、眼の状態を確認することが重要です。


・ステロイド

ステロイドが含まれた内服薬や点眼薬、塗り薬などがステロイド性白内障をひきおこす原因になると考えられています。
ステロイド薬剤による白内障は急激に症状が進行しやすいため、注意が必要です。発症後、数か月から1年程度で白内障手術が必要になるほど視力が低下するケースも珍しくありません。


急激に進行しやすい種類の白内障


「糖尿病」「外傷」「アトピー性皮膚炎」は急激に白内障が進行しやすいです

若年性白内障の内、以下が原因の白内障は急激に症状が進行しやすいため、要注意です。


・糖尿病性白内障


・外傷性白内障


・アトピー性皮膚炎


眼に違和感や異常を感じたときには眼科へご相談ください


白内障は基本的には緊急性を要する病気ではありませんが、進行し過ぎると手術の難易度が上がって合併症のリスクが高まりますので、見辛さを我慢し過ぎるのは良くありません。 また白内障が原因で眼圧が高くなっている場合も早めの手術が必要なことがあります。

「物が見えにくくなってきた」
「視界がかすんで見える」

など、眼に違和感や異常を感じたときには早めに一度は眼科で診察を受けるようにしましょう。



宮田眼科
院長
宮田 健太郎
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